和尚のブログ

2014-6-6

最近の葬儀事情

檀家を持たない当山では、葬儀は、地元の浄土真宗のご門徒さんの客僧として列席することくらいでした。

それだけでは、寺の経営が苦しくなってきたので、数年前から話題になった、派遣僧侶の登録をして、名古屋などから要望があれば、伺っていました。しかし、その話も一年以上ありません。どうも、派遣会社にお坊さんの要望の依頼が少ないようで、派遣要望の話を回さなくて申し訳ないとの詫び状が来るくらいです。

その代わりに、近くの葬儀社からお話が来るのが、直葬と呼ばれるものです。

ご存じの方もおられるでしょうが、葬儀を行わず、火葬場に直接ご遺体を持ち込み、最後のお別れをして、その時に、お経を唱えて、火葬するというやり方です。お坊さんもおらずに、そのまま火葬されるケースもあるとか。

直葬は大都会のものかと思っていましたが、今年に入って、北勢地域で私がお受けした直葬がすでに3件ありました。

先日も、直葬をお受けしました。いなべでは、何とか葬儀の形態をとろうと思っていますから、火葬場でご無理を行って20分くらいお時間を頂いて葬儀式の形態をとってお送りしていました。ところが都市ではそうはいかないようです。なんと5分で行ってくださいとのこと。「そこをなんとか」といいましたが、四日市・桑名という都市では無理は聞いてくれません。覚悟を決めて、5分で葬儀の本義を何とかとりました。

全てが終わり、喪主さんから聞いた言葉に愕然としました。「お父さんの時は、葬儀をして、三回忌もしました。でも、私たちにはお寺さんから言われるだけのお金は負担が大きい、だから、お母さんは、このようなことをしました。」

葬儀をされないのには分けがあることは分かっていました。でも、お布施の金額がその理由と聞かされる、ショックです。まして、戒名をつけずに俗名にするのは、戒名料がいるから、といわれると辛いです。

戒名は、仏さんの世界に行くときの名前で、この世とは違う世界に行くので、本来必要なのです。でも、お金がかかるからという理由でつけないなんて。仏教徒ならお金なんて必要ないのが当たり前のはずです。

もし、お金がないから直葬にしようとか、戒名なしの俗名にしようとかお考えの方がおられたら、聖宝寺にご連絡ください。戒名料などいりません。葬儀料もご負担にならないようにします。

亡くなった方の最後の晴れ舞台です。この世にうまれて色んな苦労をして、色んな修行をして、色んなご縁を授けて、今ここに最後を迎えられるのです。仏さんの世界に行かれる式をさせてください。お経を唱えてお送りさせてください。

お布施の額で辛い思いをされた方、私ごときですが、お詫び申し上げます。

お布施を採られるという思いはして欲しくはありません。無理のないお布施で結構です。

最後の送りの儀式ー葬儀をさせてください。

御願いします。

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