和尚のブログ

2018-4-26

アメリカの禅

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私が嶋野榮道老師と初めてお会いしたのは、今から34年前でした。
学生時代に青年海外力隊になって行く予定が親の反対で行けず。
何とか、海外で生活したいと言う、単純な思いから、海外の禅堂を探しました。何故なら、修行ならいいぞというお許しを父親からもらったからです。
花園大学の宝積先生のご縁から、嶋野榮道老師のもとで坐禅修行が始まりました。
一人で行く初めての海外。不安と期待が入り交じっていました。
格安チケットの出始めた頃。HISでチケットを買いました。ですから、勿論直行便ではありません。
当日、格安チケットと言えば大韓航空です。
ソウルまで行って、アラスカで給油してそいて、ニューヨーク。大阪を昼の12時に出て、24時間かけての旅です。
JFK空港に着いたのが、夜中。空港で待っておられたのが、杉山さんという方。リムジンカーの会社を経営させている方で、自ら運転して私を迎えに来てくださいました。
全てが初めての経験ですが、リンカーンコンチネンタルのリムジンカーに乗ったのもこの時でした。
時差ボケと初めての長距離フライトで、丸々1日杉本さんのアパートで寝ていました。
2日ほどマンハッタンでブラブラした後、マンハッタンにある正法寺で中川宗演老師追悼接心があり、今でも覚えていますが、ボーとした頭で3日間坐りました。
その時に、榮道老師と相見(会って話をする事)いたしました。

アメリカ人を相手にされているのだから、優しく対応してもらえると思っていたのは、大きな間違いでした。
接心が終わって、ミーティングをしていたときに、お茶とお菓子を持っていったときに、お茶の出し方が悪いと怒鳴られました。
それからも、人前では、私の作法が悪いと人前でよく怒られました。
ある時、老師は「アメリカ人に怒ってもすぐにwhyと言ってくる。悪いが、怒られ方の見本をみせてやってくれ。」と言われました。
そんなときに、ある人が「英さん、よく怒られるね。日本でどんな修行してきたんだね。」と言われました。ん、ん、ん、と思いましたが、そこはこらえてにっこり笑いました。
老師も大変だなーと思いました。「老師の想いをくめない人たちばかりなんだ」と

老師と一緒にいると、回りの視線が気になる事が多かったです。ある時、老師は「雲水はまだまだアメリカにはおらん、皆、studentばかりでね。もしくは、私のファンだなー。」
つまりあのときの回りの視線はジェラシーだったのです。

老師曰く「確かにアメリカの禅はまだまだ赤ちゃん、よちよち歩きだけど、確かに成長しているし、純粋だ。皆がいとおしい。」
そう言われた老師のお顔は忘れません。 
 
確かに日本では、仏教は成熟し生活の規範となり、禅を学ぶ為の修行道場は素晴らしいです。
でも、ここアメリカに芽生えた禅は純粋に成長しています。

嶋野榮道老師のお陰でここまで成長したアメリカの禅がこれからも生き続ける事を願います。

そして、日本も負けられませんよ‼️
アメリカに。
禅がこれから日本でアメリカで法の灯火が燃え続けるように。
私も精進しようと🎵

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