和尚のブログ

2014-3-8

「蒔かぬ種は生えぬ。」(ことわざ)

 今月の言葉は、皆さんもご存じの方も多いかと思います、ことわざの一つです。
私の好きなお経に「白蔭禅師善悪種蒔き経和讃」があります。江戸時代に今我が臨済宗にある修行道場の修行体系を再構築された、私達臨済宗坊主にとっては厳しい方でした。しかし、一般の方々にはとても優しく仏法を説かれた方です。その方の書かれた文献にあったもので、我が宗派では読まないお経ですが、私はとても気に入っているので、聖寶寺では、何時も読んでおります。
 そのお経にも「蒔かぬ種は生えぬ。」という意味の内容がつづられています。今の苦しみは、前世で自分が悪い種を蒔いた結果である。だから、どうしようもない、あきらめなさい。それより、今、よい行いをして、よい種を蒔いていたら必ずよい結果が生まれる。その結果が来世かもしれないけれど。だから、今の悪い、苦しい結果を悔いたり原因を追及するエネルギーがあったら、今の生き方をよく見て、よい行いを一生懸命励みなさい。すると、死後に暗闇の世界に入って苦しむこともないし、来世でよい結果を招いてくれる。と言う意味あいのお経です。
 今、皆さんが抱えている苦しみは、全て、自分が前世で蒔いた種です。だから、仕方のないことで、あきらめるしかありません。今おきている原因を探す時間があったら、今、この時に出来るよいことをしましょうよ。何がよいことか悪いことかをしっかり見つめて、よい行いをしましょう。よいことの種蒔きをしたら、必ずよい実が出来ます。「蒔かぬ種は生えぬ。」だから、よい種を今蒔きましょうね。

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