今月の言葉は日蓮聖人の信者の重須殿女房重須殿女房( おもすどのにょうぼう)が、おもち百枚とお菓子ひとかごをご供養くださったお礼のお手紙に書かれていた言葉です。この手紙で日蓮聖人は、お正月の心くばりができる人は徳が増す。地獄も仏もわが身のなかにある。なんでもないと思うものの中からすばらしいものがあらわれる。お正月の始めに法華経を供養しようとする心が素晴らしい。と書かれています。
人は、自分の言う言葉にはあまり敏感ではないようです。その代わり、人の言う言葉にはかなり敏感であるという慣習があるようです。よく、奥様方から聞くのは、旦那さんが昔言った言葉を今でも覚えていて、かなり憎しみに近い意識を持っておられます。そして、年を取ってから、その事を盾にして、旦那さんを追求するケースを多くみられます。熟年離婚の原因の多くがここにあると、統計上数値がでています。
自分が発した言葉によって、相手がどのように反応しているか、見極めながら話すことです。発した言葉によって、相手がけげんな顔をしたとき、まさに身をやぶっているのです。顔色が変わったら、素早く、謝罪し言葉を換えるなり相手の心の波を押さえるように心掛けましょう。
そう言ったことが出来るようになるには、日頃から、「衆生済度」という仏の教えの根本、生きとし生きるものをどう救うのかを考えていることです。お釈迦さんは、自分だけが救われることはあり得ない、他を救ってこそ己が救われると説いておられます。信心を持つことは、己が救われる前に、他を救うことを先に出来ます。私達はよく、人間関係が難しいというのは、信心を持っている人が少なくなったからですよ。どうぞ、もう一度信心を持つ生活を思い起こしてください。そして、「わざわいは口より出でて、身をやぶる。さいわいは心より出でて、我をかざる。」を日頃から心掛けてください。私も改めて、考えますから。
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2013-6-20