和尚のブログ

2015-6-3

「にっこり笑おう、やさしく微笑もう。微笑みで心は変わる。あなたが笑えば、まわりが変わる。」(ことわざ)

 禅問答に拈華微笑と言う言葉があります。お釈迦様が跡継ぎを誰にしようかと、集まった千人以上の弟子の前で、華を掲げて、この意味が分かる人はいないかと尋ねるとシーンと静まりかえり誰も応えません。ただ一人、迦葉尊者だけがにっこりと微笑んだのです。それを見られたお釈迦様が「彼こそが、我が法を継ぐべき人物だ」と言われたというお話しがあります。つまり、微笑みこそが仏教の本筋を現す姿です。
  先日、知人が生まれて半年の赤ちょんを連れてこられました。思わずだかせてと頼むと、お母さんは赤ちゃんを預かりだかせてもらいました。その子は私の顔をのぞき込んで、ありったけの力で泣き出したのです。お母さんは、「誰に対しても愛想のいい子なのにね。」と言いながら、申し訳なさそうに泣きじゃくる赤ちゃんを受け取られました。自分でも分からなかったのですが、知人は「おっさん、最近辛いことでもあるの?」と聞いてきたのです。
 心当たりがありました。きょうさく症で左足がしびれていたいのです。また、法要も激減して、寺の台所事情も最悪。どうも、顔つきが怖かったのでしょう。
 また、最近捨て猫、生後一ヶ月くらいの子猫を拾い、息子と世話をしています。子猫たちもよってきません。そんな時にこの言葉と出会いました。そこで、痛さも忘れ、笑顔で子猫たちに接するように心掛けました。さすが、動物は素直です。ここ二日、彼らたちに変化が現れました。そうです、よってくるようになりました。
 まさしく、微笑みが子猫たちの気持ちを変えてくれたのです。微笑みを心掛けるようになってまだ二日ではありますが、何かが変わってきました。現状は変わらないのですが、自分の心にも何か変わってきました。つまり、この現状、傷み辛さを受け入れて、「仕方ないか、どうにかなる。あとは仏様にお任せや。」と思うようにしました。あなたも辛いときに、辛いという顔をせず、辛さを受け入れ、諦めて、笑顔を出してください。きっと、何かが変わってきます。「にっこり笑おう、やさしく微笑もう。微笑みで心は変わる。あなたが笑えば、まわりが変わる。」信じてくださいな。

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